大分県における感染症対策の抱える様々な課題を解決するために設立されました。
■創立の趣旨
1.近年、鳥インフルエンザや新型肺炎、エイズといった新興・再興感染症、多くの市民を狙ったバイオテロが問題となり、地域ごとの対策・対応が必要である。
2.様々な医療行為や病院内環境菌による院内感染が問題となっており、院内感染を防止する医療技術の開発、抗菌薬の開発、適切な抗菌薬の使用、医療従事者への教育啓発が重要である。
3.悪性腫瘍や動脈硬化の一部は、病原微生物による感染が原因といわれており、これらの疾患と感染症との因果関係を明らかにし、感染症を制御することにより、これらの疾患の発生率・死亡率を減少することが可能である。
4.大分県地域における感染対策の課題として、感染症の事例を解析・評価・助言できる専門機関、感制御に関する新技術の開発、施設間のネットワーク構築、抗菌薬評価、感染症に関わる専門家等の教育する組織の構築が必須と考えている。
5.上記の事業を継続してゆくためには特定非営利活動法人の認証が不可欠と考えている。
■設立に至るまでの経過
1.平成16年度より、厚生労働省は全国8都道府県において院内感染対策支援ネットワークのモデル事業を行っているが、大分県はこのモデル事業の地域には該当せず、独自の財源などにより、同様の支援体制の構築が急務である。
2.平成16年2月、大分県下で鳥インフルエンザが発生したが、今後も同様の新興感染症が発生したとき、的確な対応がとれるネットワークの構築が急務である。
3.既存の多くの地域支援ネットワークの技術的助言は、あくまでもアドバイスであることが前提とされているが、単に論文などによる知識の伝達だけではなく、常に最新の科学的根拠に基づくアドバイス、感染制御に関する新技術の開発も求められている。
4.大分大学医学部感染分子病態制御講座(内科学第二)は、開講以来、感染症に関する基礎・臨床の研究成果を欧米の専門誌や国内外の学会に数多く発表してきた。
5.平成17年10月、これまで蓄積してきた基礎・臨床の研究成果を、地域の感染症対策支援、感染症に関する新しい新技術の開発、病院間のネットワークの充実と組織化に応用することが可能であると考え、大分大学医学部感染分子病態制御講座(内科学第二)が中心となり、特定非営利活動法人の設立に向け、準備会が発足し、設立総会の準備に入る。
6.平成18年3月27日、NPO法人ICON設立総会を行い、会員の総意により設立を決議。
7.平成18年8月16日、大分県知事よりICONの設立が認証された。